
2月28日。カレンダーをめくれば、明日からはもう3月ですね。行政書士試験の合格を目指して机に向かい始めてから、早いものでちょうど1カ月が経ちました。嘱託社員としてフルタイムで働きながら、仕事と勉強の二足のわらじを履く生活。2月の総決算として、今日は民法の最重要難所である「代理」を、入り口から出口まで完璧に総復習しました。
代理制度の根本は、自分の代わりに誰かに動いてもらう「私的自治の拡張」です。この魔法を成立させるための絶対条件、それが「顕名(けんめい)」です。
「私は〇〇さんの代理人です」と相手に告げること。これがないと、相手方は目の前の人間との契約だと思い込み、本人には効果が帰属しません。顕名は代理の第一歩であり、取引の安全を守るための「基本中の基本」であることを再確認しました。
顕名をして代理が動き始めても、次に問われるのはその「中身」です。代理人が自分の私欲のために動くことを防ぐため、民法は以下の行為を原則として「無権代理」とみなします。
さらに、形式的には権限があっても、私利私欲のために使う「代理権の濫用」も大きな問題です。これらの関門を潜り抜けて初めて、代理は「正当なもの」として本人に効果を帰属させるのです。
正当な権限がないのに勝手に動いてしまう「無権代理」が起きた場合、振り回された相手方は無権代理人本人に責任を迫れます(民法117条)。ただし、そのためには以下の「5つの要件」が全て揃わなければなりません。
さらに、本人にも「そう見えても仕方ない」という落ち度がある場合、相手方を究極まで救済する「表見代理」が登場します。単なる表題ではなく、その実体を深く整理しました。
最後は、この不安定な状態のまま当事者が亡くなる「相続」のドラマです。ここは論理の筋道が合否を分けます。
64歳。物覚えは若い頃のようにはいきませんが、こうして理屈を一つずつ納得しながら進む作業は、人生の経験と重なって何とも言えない面白みがあります。明日からはいよいよ3月。春の訪れとともに、さらにギアを上げて、合格への階段を一段ずつ登っていきたいと思います。2月、本当にお疲れ様でした!
第1問
代理人が顕名をせずに契約を行った場合、相手方が「この人は代理人だ」と知っていたとしても、その契約の効果が本人に帰属することはない。◎か×か?
解答:×
解説:相手方が「代理人として行っていること」を知っていた(悪意)、または知ることができた(有過失)ときは、顕名がなくても本人に効果が帰属します(民法100条但書)。
第2問
権限外の行為の表見代理(110条)が成立するためには、相手方がその代理人に権限があると信ずべき「正当な理由」がなければならない。◎か×か?
解答:◎
解説:その通りです。代理権を越えた暴走についてまで本人に責任を負わせるには、相手方の信頼が「正当」であるという厳しい要件が求められます。
第3問
無権代理人が本人を単独で相続した場合において、本人が生前に追認を拒絶していたとしても、無権代理人が相続したことで契約は当然に有効となる。◎か×か?
解答:×
解説:本人の生前の拒絶で無効が確定しています。確定した無効は、その後の相続でひっくり返ることはありません。本人の意思が最優先されます。