
皆さん、お疲れ様です。再雇用での嘱託勤務をこなしながら、行政書士試験合格を目指している64歳の受験生です。
本日、4月からの雇用契約が提示されました。なんと、11月の私の誕生日で雇用契約は終わることになっていました…。
しっかり勉強して、合格して、独立をしないといけませんね。

今日からいよいよ、試験の天王山ともいえる行政法の上級編講義に入りました。これまでは基礎編でさらっと触れてきましたが、本格的に踏み込むとやはり奥が深いですね。正直、最初は「行政は国や自治体のやることだから、民法(私法)とは別世界の話だろう」と高をくくっていたのですが、実はそう単純ではないことが分かりました。
まず学んだのは、行政活動にいつ民法が適用されるのかという点です。原則として行政権の行使は「公法」の領域ですが、ケースバイケースで民法が顔を出します。
例えば、農地買収処分のような強権的なものには民法の規定は適用されませんが、公営住宅の利用関係には、公営住宅法という特別法が優先されつつも、基本的には民法や借地借家法の信頼関係の理論が当てはまるんですね。境界線の1メートル空ける空けないの話(建築基準法)も、行政法規が優先される典型例として整理しました。
一方で、国の安全配慮義務違反や地方議員の報酬請求権の譲渡、さらには食品衛生法上の無許可営業で行われた売買契約の効力などは、基本的に民法のルールが適用されます。「これは私法関係だな」と直感的に判断できるものが多い印象ですが、農地買収などの特殊な例だけはしっかり区別して覚えておこうと思います。
次に「法律の留保の原則」についても確認しました。行政が国民の権利を制限したり義務を課したりするには、必ずバックに法律の根拠が必要だという大原則です。これは民主主義の基本ですから、納得がいきますね。
面白かったのは、行政の世界における信義則の適用です。民法では困った時の「信義則」ですが、不特定多数を相手にする行政では簡単には認められません。特に租税の世界では厳しいようです。ただ、国が自ら法令違反を見逃しておきながら、後になって「時効だから権利は消滅した」なんていう不誠実な主張をしたケース(時効の援用)では、さすがに信義則でアウトになる。当たり前の感覚が司法でも認められているのを見ると、少しホッとします。
そして今日のメインイベント、行政裁量です。全ての事細かなルールを法律で決めるのは不可能ですから、行政庁にはある程度の「判断の幅」が認められています。これを裁量と呼びますが、何でもかんでも自由というわけではありません。決められた枠を飛び出せば「逸脱」、使い方がおかしければ「濫用」として違法になります。
ここで出てくる判例たちが、なかなかに個性的です。
正直、判例の硬い文章を読んでいると頭が痛くなることもありますが、一つひとつの事案の背景にあるドラマを想像すると、少しは親しみやすくなる気がします。明日は行政組織法の詳細に入りますが、まずは今日の裁量のポイントをしっかり復習して血肉にしていきたいですね。60代の脳みそには反復練習あるのみです!
問1:農地買収処分において、買収計画の告知後に土地の所有権を取得した者は、民法の規定を援用してその所有権を国に対抗することができる。◎か×か?
解答:×
解説:農地買収処分は公法上の権力的作用であり、民法177条の対抗要件の規定は適用されません。民法が適用されない典型例として覚えましょう。
問2:地方公務員に対して懲戒処分を行う際、同種の行為に対してある者には免職、ある者には降格というように著しくバランスを欠く処分を行うことは、平等原則に違反し裁量権の濫用となる可能性がある。◎か×か?
解答:◎
解説:正解です。行政庁の判断が平等原則や比例原則に著しく反する場合、それは裁量権の逸脱・濫用として違法になります。
問3:行政庁が裁量権を行使する際、本来考慮すべき事項を考慮しなかったり、逆に考慮すべきでない事項を考慮して判断を下した場合、その判断は裁量権の逸脱・濫用として違法となり得る。◎か×か?
解答:◎
解説:正解です。これは「判断過程の合理性」の問題であり、エホバの証人剣道実技拒否事件などの判例でも示されている重要な考え方です。
いかがでしたでしょうか。明日は行政組織法!一歩ずつ、確実に進んでいきましょう。共に頑張りましょう!